「猫のノート」



作者と「猫のノート」について
<作者について>
作者は、三児の母Yakkunです。
息子たちは、長男がADHD+アスペルガー症候群。次男が自閉症+知的障がい。三男が口唇口蓋裂です。それぞれ3人とも、周りのお友達とはちょっと違う星の住人です。そして、その特別な星に生まれた子どもたちは、外見だけで判断しようとすると「他の子とは何がどう違うのか」が非常に分かりにくく、本人たちが困ってしまった時、瞬時にサポートを受けにくいといった背景があります。
私は長年、それぞれ異なる3つの星を見てきました。そして彼らの「星の言葉」を知っています。(あれ?なんかこれ、ヒントにならない?)そして出来上がったのが「猫のノート」です。
「私達のことば」「星のことば」を繋ぎあわせ、我が子と一緒に悩み、チャレンジし、失敗も笑いに変えながら共に生きていく。
それが「猫のノート」の作者Yakkunです。

<不思議事件とは・・・>
いきなり物騒ですが・・・。
この地球上で彼らの星のルールは通用しません。
本人たちは周りの人に迷惑をかけようとか、悪い事をしようとしているわけではないのですが、時としてトラブルに発展してしまったり、必要以上に怒らせてしまったりと、歩けばあちこちで「厄介クエスト」が発生してしまいます。
これを放置すると、せっかく手を差し伸べようとして下さった周りの方たちの想いも空振りになり、結果そこにいる全員が頭を抱えてしまう事態に!
「これは、次男君がやったの?」
「はい!」
全て「はい!」と答えてしまう魔法にかかっている次男君は、自分がやっていない事まで「はい!」と言ってしまいます。
そりゃ、、、知らない人は次男君がやったと思うよね。
誤解を解くのも大変っ!
<猫のノートが生まれた経緯>
そこで母が考えたのが、まず子ども達が使いやすいであろう状況を考えたLINEスタンプを作ることでした。
次に、LINEのイラストをシールにして小さなノートに貼り付けていきました。言葉を伝える事ができない息子のための翻訳機を作ってしまおう!という作戦です。
息子はイラストで相手に伝えたい事を選ぶことができます。
また、ノートに貼りつけたシールの下には「彼がなぜ困っているのか。どうしたら解決するのか。」を書き込んでいきました。
そして出来上がったのが「猫のノート(猫の手帳)」です。
息子は、ほとんどのケースにおいて、自分の状況を人に上手に説明する事ができません。ですが、猫のノートさえあれば、本人はシロちゃんのシールを通して「支援者と誤解の少ないやりとり」ができ、相手に「どう助けてもらえばよいのか」を伝えることができます。
「はい!そうです!」のイラストに
「内容に関係なく「はい」と答えてしまう事があります」
と書き込む。
結果「厄介クエスト」は、解決の近道を経て「COMPLETE!」へと向かいます。

(猫のノートの中身)
どんなクエストが発生しても、時間が経てば必ず「結果」には至るのですが、本人をはじめとする、その周りの人々が少しでも嫌な気持ちで終わる事がないよう、イラストのシロちゃんがサポートしてくれます。
自立と支援を両立させた、夢のようなお助けアイテム。
全部ひっくるめてなんとかしたい!という気持ちから、「猫のノート」が誕生しました!
<迷子の迷子の子猫ちゃん>
次男が自力通学の練習をしていた時のお話です。
彼が、1人でのバス通学にチャレンジしていたある日のこと、大事な「猫のノート」を落とし、失くしてしまうといったハプニングが起きました。
さあ大変です!次男は上手に人と喋る事ができません。
ノートには、彼が困ってしまった時「サポートしてくれる人」へ伝えたい「Q&A」が沢山詰まっています。
これがないと次男は1人で登校する事ができません。
一方、そんな事態になっているとは思わず、のんびりとPCに向かって仕事をする母。
突然、母の携帯に知らない番号からの着信が・・・
「こちら〇〇駅の駅員です。〇〇君のお母さまですか?さきほど、えっと・・・これ何て言えばいいんだろ。『猫のノート(?)』が落とし物として届けられまして、こちらで預かっております。連絡先が書いてあったのでお電話しました。」
「わぁぁああ!すみません!すぐに取りに行きます!」
次男はもう学校に着いている時間です。携帯を確認したら、いつもと同じくらいの時間に「学校へついたよ」とのLINEが入っています。
という事は・・・次男は無事に学校へ辿り着いていて、猫のノートのシロちゃんだけが迷子の子猫ちゃんになってしまったという珍事件???
猫のノートをどこで落としてしまったのかは分かりませんが、ノートが無くてもきちんと学校へたどり着いていたことがとにかく嬉しい出来事でした。自信をもって行動できるようになっていた証明だものね。
この猫のノートには、通学中に困ってしまった時の「How to」や、サポートしてくれる方へ、どんな風に対処してくれると助かるのか?という内容が「if-then(イフ-ゼン)ルール」で簡潔に書かれており、次男はこのノートだけを頼りに毎日学校へ通っていました。
拾って下さった方と、駅員さんの見事な連携プレーで「猫のノート」は母の手に渡り、とても綺麗な状態で次男の元へと返ってきました。


(受け取った直後の猫のノート)
後日、この日の学校の様子を担任の先生に聞きましたが、登校したあと次男は泣いていたそうです。もしかしたら、ノートを落とした事に気付いて泣いていたのかもしれません。
でもノートを探しながらウロウロする事もなく、遅刻せずにしっかりと学校まで行くことが出来ていました。
安全を取るなら、毎日送迎する事で回避できる出来事だったかもしれませんが、次男の一生を私が代わりに生きるわけにもいきません。
周りの人にできるだけ迷惑がかからないよう、でも自立支援も大切という想いから作り出された手帳サイズの小さなノートです。
拾って下さった方がどなたなのか分からず、お礼を言う事ができなかったため、声が届くか分からないけど・・・と、Twitter(@yakkun33)に書き込んだところ、沢山の方から「無事に届いてよかったね!」などの声や、励ましの声、同じ物が欲しい、どうやって作るの?などの声が沢山よせられ、ニュースになりました。
<猫のノートが役立った時の話>
次男がバスの通学定期券を買う時に、購入時に必要なものをすべてジップロックに入れて『猫のノート』と一緒に受付の人に渡すように伝えました。
『これを』『全部渡してね』『1人で買ってくるんだよ』
と、指示はたったこれだけ。
結果、次男は1人で定期券を購入して戻ってくることができました。
実はこの時、意図的に“おつり”が出るように持たせていたのですが、返ってきたジップロックの中には受付の方からの手紙が入っていて、『2万円お預かりしましたので3560円のおつりです。ありがとうございました』と書いてありました。

(バスセンターの方からのお手紙)
息子は上手に話をすることができません。でも『猫のノート』のおかげで障害があることを相手に伝えることができ、目的を達成することができました。受付の方からのメッセージがとてもうれしかったです
<おわりに・・・>
今現在も、拾って下さった方がどなただったのか分かりませんが、とても嬉しい出来事だったので、新しいTwitterアカウント(@SuppoterCat)を作り「猫のノートの作り方」とあわせて、一部の素材を無料配布する事にしました。また、Twitterをやっていない方にも伝えられたらと思い、あわせてこのHPを立ち上げました。
長くなりましたが、最後までお読み頂きありがとうございました。これからも、今までと変わらず「星の子どもたち」と一緒に頑張っていきます!
※私は、支援関係のお仕事をしてきたわけでもなく、ただ3人の育児をしてきただけですので、もしかしたら表現方法など、正しい使い方ができていないかもしれません。
無料で配布しているイラストについては、文字の削除、書き換えやルビを付けるなど、使用者の使いやすい形にカスタマイズして頂いて全く問題ありませんのでご自由にお使いください。
また、私の方では素材の提供までとさせて頂きますが、それに伴うトラブルはこちらで対応ができません。使い方は皆様にお任せします。もし使えそうなものがあればお役立て下さい。
使用にあたっての詳細は「ご利用について」に記載してありますので、よく読んでから使ってくださいね。
